だいぎょうじ
大巧寺
(若宮大路)
産女霊神を祀る安産祈願の寺
大巧寺は、若宮大路のそばにある日蓮宗の寺院。通称「おんめさま」と呼ばれる産女霊神を本尊として祀っている。産女霊神は、室町時代に難産で亡くなった女性の霊を、当時の住職であった日棟が鎮め、安産の神として祀ったことに由来する。室町時代から安産や縁結びを願う人々から親しまれており、現在でも全国から出産を控えた女性が多く訪れている。安産祈願のお守りもあり、中でも赤い小さな顆粒を包んでいる紙によって生まれてくる子どもの性別を占う「秘妙符」が人気を集めている。
源頼朝の勝利で文字を与えられた寺
大巧寺は、元々現在の場所ではなく十二所という地に建てられており、寺の名前も「大行寺」という真言宗のものであった。ある時、源頼朝がこの寺で軍議をしたところ見事に作戦が「巧く」いき、勝利を収めたため、「巧」の字が与えられて寺名が改められた。現在では山門の傍らに「源頼朝評定所」と記された石碑が立っている。また、時の従持が妙本寺にいた日蓮に帰依していたため、日蓮宗に改宗した。寺史については不明なことが多く、いつこの地に寺を移したかなどは謎のままである。