べつがんじ
別願寺
(大町・材木座)
足利一族が深く信仰した寺
別願寺は、1282年に公忍によって創建された時宗の寺。元々は真言宗で、能成寺という名前だったが、1287年に住職の公忍が、時宗の開祖である一遍の弟子となり、名を覚阿と改名した。その際、真言宗から時宗へと改宗、寺号も能成寺から別願寺にしたと伝えられている。鎌倉内での時宗派寺院の中心だった別願寺は、室町時代には鎌倉公方である足利一族が深く信仰し、菩提寺として栄えた。1591年には徳川家康からも寺領を寄進され寺勢を誇ったが、江戸時代から次第に衰微していった。境内には、室町幕府に対して「永享の乱」を起こした、足利持氏のものとされる供養塔がある。