りゅうこうじ
龍口寺
(腰越)
貴重な建築物や椿の名所としても知られる寺院
龍口寺は、日蓮の「龍ノ口法難」があった跡地に、日蓮の直弟子である日法が建てた堂が起源の日蓮宗の寺院。境内には県内唯一の木造の五重塔や大本堂などの「神奈川建築物百選」に指定されている建造物があり、鎌倉エリアに数ある日蓮ゆかりの寺院の中でも屈指の霊跡と言われている。建造物だけでなく、境内裏の仏舎利塔からの眺望の良さも見所の一つ。また、山門の前では江ノ電が走るという鎌倉ならではの光景も見られる。他にも裏山の斜面には約1000本の椿の木があることから、椿の名所としても知られている。
日蓮の不思議な伝説が残されている
鎌倉時代、龍口寺の周辺は罪人の処刑場であり、「立正安国論」を建白した日蓮が鎌倉幕府の怒りを買って連行されてきた場所。ここでは、処刑の直前に江ノ島の方から満月のような光が飛んできて役人の目をくらませ、処刑が中止されたという伝説が残っており、日蓮宗ではこの出来事を「龍ノ口法難」と呼び現在まで語り継がれている。本堂には、日蓮が処刑の時に座らされたという敷皮石が残されている。