天園ハイキングコースのスタート地点
勝上献は鎌倉アルプスを形成する山の一つで、山頂にある展望台から「天園ハイキングコース」が始まる。勝上献展望台は建長寺の最奥にある半僧坊から少し登った標高147mの場所にあり、鎌倉市街や相模湾、富士山を一望することができる。ここから、緩やかな起伏の尾根道を進んで行く。
(次の十王岩まで徒歩5分)
閻魔大王をはじめとする冥界の十王が彫られている岩
十王岩には、閻魔大王をはじめ地獄で亡者の審判を行う十人の王が彫られている。現在は風化して何が彫られているか定かではないが、中央の三王は左から如意輪観音・血盆菩薩・閻魔大王といわれている。十王岩の脇にある小高い岩に上ると鎌倉市街と相模湾を望むことができ、この景色は「かながわの景勝50選」に選ばれている。
(次の百八やぐらまで徒歩7分)
200以上のやぐらが点在する鎌倉最大規模のやぐら群
十王岩から少し進んだ覚園寺分岐から覚園寺にかけては、鎌倉でも最大規模のやぐら群が存在する。「やぐら」とは山肌をくり抜いた横穴式の墓のことで、「百八」とは「数多くの」という意味。そのため、百八やぐらといっても実際は200以上のやぐらがあり、一般的なものから珍しいものまで、あらゆる形式のやぐらがあるといわれている。
(次の大平山まで徒歩20分)
鎌倉アルプスの最高峰でホッと一息
木々に囲まれた登山道を進んで行くと、急に視界が開けて大平山の山頂に到着する。標高159mの大平山は鎌倉アルプスの最高峰で、鎌倉市街や遠く横浜の街まで望むことができる。山頂から岩場を下ったところには広場があり、ここで休憩がてらにランチをとるハイカーも多い。
(次の天園まで徒歩6分)
六国を見渡せる展望スポットで景色を楽しむ
相模・伊豆・武蔵・上総・下総・安房の6国が見渡せたので「六国峠」とも呼ばれている展望スポット。近くの茶屋では鎌倉市街や相模湾を眺めながら、飲み物や名物のおでんなどを味わえる。天園のすぐ先の分岐は、瑞泉寺に向かう道と、紅葉の名所・獅子舞の谷から鎌倉宮に下る道に分かれる。
(瑞泉寺ルートで次の貝吹地蔵まで徒歩10分、獅子舞ルートで鎌倉宮まで徒歩50分)
落ち延びる北条家を導いた伝説の地蔵
鎌倉幕府滅亡の際に自害した北条高時の首を持って落ち延びる家臣たちを、貝を吹いて導いたとされる伝説の地蔵。天園から瑞泉寺へ向かうコース脇の崖の上に祀られていて、周辺には北条一族のものとされるやぐらもある。
(次の瑞泉寺まで徒歩25分、瑞泉寺からゴールの鎌倉宮まで徒歩10分)
鎌倉屈指の紅葉の名所
天園の先にある分岐から獅子舞方面へ下っていくと、獅子舞の谷にたどり着く。鎌倉随一と言われる紅葉の名所で、山道をイチョウの落葉が黄色く覆い、見上げればイチョウと真っ赤に色づいたカエデやもみじの鮮やかなコントラストが美しい。見頃は11月下旬~12月中旬。