とうこうあんくまのごんげんきゅうせき
東光庵熊野権現旧跡
(芦之湯)
多くの文人が集った庵を復元
東光庵熊野権現旧跡は、熊野権現を祭神として祀る熊野権現社と、その境内にあった東光庵の跡地。東光庵は、江戸時代後期に芦之湯へ温泉湯治に来た人々が集い、碁や将棋、句会などを行って賑わいを見せていた。その中には歌川広重や本居宣長をはじめとした文人墨客も頻繁に訪れていたと伝わる。1882年に廃庵となり取り壊されるが、発掘調査や文献資料に基づいて2001年に復元、同時に中曽根康弘の主導で残されていた十六羅漢像や松尾芭蕉の句碑や石造物が保存修理され、熊野権現社も再建された。
温泉の神様を祀っていた神社
熊野権現社の祭神である熊野権現は湯屋権現とも言われており、命や枯れたものを蘇らせるパワーを持っているとされ「温泉の神」として箱根七湯にそれぞれ祀られていた。境内には徳川家康の四女・徳姫の霊堂である薬師堂もあり、ここには病気を治し延命するご利益のある薬師如来が安置されている。この神社の創建年や建てられた由来など詳しいことは明らかになっていないが、1811年に描かれた絵図「七湯の枝折」などには、社や東光庵の姿が描かれている。
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