じっそういん
実相院
(上賀茂・下鴨)
床に映る絵画のような紅葉風景
実相院は、1229年創建の天台宗寺門派の門跡寺院。客殿・滝ノ間の床に庭の木々が映り込むことで知られ、春から秋にかけては「床みどり」、紅葉時には「床もみじ」と呼ばれ、絵画のような美しい光景が楽しめる。また、石庭と山水庭園という趣の異なる2つの庭園でも紅葉や桜を楽しめるほか、客殿内では狩野派による襖絵や障壁画、杉戸絵なども観賞できる。
貴重な御殿や文書が残る格式高い寺院
実相院は、静基によって創建された寺院。足利義昭の孫・義尊の入寺以降、後西天皇の息子・義延親王などが入寺し、門跡寺院として高い格式を誇った。1720年には承秋門院の旧殿の一部を賜り、現在でも四脚門・御車寄・客殿などが残っている。 後陽成天皇による宸翰「仮名文字遣」(重文)などを蔵するほか、歴代門主が綴った日記や古文書も残されており、中には岩倉具視が境内地に家を買い求めた記録なども記されている。
◆◆Attention◆◆
床みどり・床もみじをはじめとした客殿内、庭園の池に生息するモリアオガエルの撮影は禁止。