しょうでんじ
正伝寺
(上賀茂・下鴨)
山麓の静けさに包まれた寺
五山送り火のひとつ「船形」が灯される妙見山のふもとに佇む正伝寺。国の重要文化財に指定されている本堂では、狩野山楽の山水画が描かれた襖や、涅槃図、血天井などを見ることができる。また、本堂前にある庭園は小堀遠州による比叡山を借景とする枯山水庭園で、シンプルな造りでありながら深い趣を感じられる名庭。
国家安泰を願う古寺
正伝寺は、1268年に東巌慧安禅師が、師である兀庵普寧を開山として創建した。禅の正当な教義を普及する目的をもつことから正伝の名がつき、後に亀山天皇によって、平安を護るという思いを込めて正伝護国禅寺の号を与えられた。もともとは今出川近辺に建てられていたが、戦乱期に焼失と再興を繰り返し、現在の地に移っている。