ろざんじ
廬山寺
(二条城・京都御所周辺)
源氏物語が綴られたキキョウの名所
廬山寺は、938年に良源によって創建された天台宗の寺院。境内は紫式部が源氏物語を執筆した際の邸宅があった場所と伝わり、源氏物語に因んで植えられた約1000株のキキョウが咲き誇る名所として知られる。また、開基の良源が自らの姿を鬼に変えて疫病神を追い払った人物であることから「厄除の大師」として古来より信仰されており、良源の故事に因んだ節分会「鬼法楽」が行われることでも有名。
皇室からも深く信仰された寺院
廬山寺の正式な寺号は廬山天台講寺。古来より皇室の帰依が篤く、明治維新までは御黒戸四箇院という宮中の仏事を司る4寺院の中の一つであった。1571年の比叡山焼き討ちの際は、正親町天皇の女房奉書が織田信長に渡され焼失を免れている。元々は船岡山の南麓にあったが、豊臣秀吉によって天正年間に現在地へ移された。1965年に歴史学者・角田文衛が境内を紫式部の邸宅の跡地だと発表した。