あんらくじ
安楽寺
(岡崎・銀閣寺周辺)
参道を覆い尽くす散り紅葉
安楽寺は、住宅街にひっそりと佇む古刹。通常は非公開の寺院で、桜やサツキ、紅葉などの限られた時期のみ公開されている。紅葉の名所として知られ、山門へと続く石段の参道を埋め尽くす散り紅葉は見事。また、毎年7月25日に行われる「鹿ヶ谷カボチャ供養」は、多くの人で賑わう京都の風物詩のひとつ。
悲劇の死を遂げた2人の僧が眠る
安楽寺は、浄土宗の宗祖・法然が弟子の住蓮と安楽の菩提を弔うために創建した寺院。寺の始まりは、住蓮と安楽がこの地から1キロほど離れた場所に結んだ「鹿ヶ谷草庵」で、布教活動の拠点としていた。そうした中、1206年に後鳥羽上皇の女官である松虫姫と鈴虫姫が、2人のもとに許可なく出家し上皇の逆鱗に触れるという事件が起きる。その結果、師である法然は讃岐国へ流罪、住蓮と安楽は死罪となり草庵は荒廃する。その後、帰京した法然によって草庵が復興され「住蓮山安楽寺」と名付けられた。