てんとくいん
天得院
(伏見稲荷・東福寺周辺)
凛と咲く花が美しい「桔梗の寺」
天得院は、東福寺境内に佇むこぢんまりとした寺院。京都有数の桔梗の名所として知られ、杉苔に覆われた枯山水庭園に咲く桔梗の花を、縁側に座ってゆっくりと楽しめる。また、精進料理や抹茶を味わいながら鑑賞することもでき、日没後は優しい灯りが包み込むライトアップが行われる。通常は非公開で、桔梗が咲く初夏と紅葉の秋のみ特別公開される。
豊臣家滅亡の原因を生んだ文英清韓
天得院は、南北朝時代の正平年間に創建された東福寺の塔頭。創建後は荒廃するも再興され、1614年に文英清韓が住持になる。清韓は、豊臣秀吉や秀頼の学僧として寵遇された人物で、秀頼に依頼されて方広寺の鐘銘を撰文することになる。しかし「国家安康」と「君臣豊楽」の句が徳川家康の家と康を分断し、豊臣家の繁栄を願う呪いの言葉だとして、家康の怒りを買い天得院は取り壊された。その後1789年に再建され現在に至っている。
◆◆Attention◆◆
・桔梗のライトアップは行われない年もあるため要確認。
・秋の特別公開は、食事や茶席とセットの拝観のみ。
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