ぎおうじ
祇王寺
(嵐山・嵯峨野)
「平家物語」に登場する悲恋の尼寺
祇王寺は、白拍子の名手・祇王ゆかりの寺院。平清盛の愛情を失った祇王が失意の内に尼となる悲恋の舞台で、平家物語には、恩情をかけた仏御前に立場を奪われた祇王が入寺する様子が描かれている。境内には、後に栄華の空しさを悟り入寺した仏御前と祇王の像が共に祀られ、平清盛の供養塔と祇王の墓塔が寄り添うように建てられている。また清閑で美しい苔庭でも知られ、紅葉をゆったりと鑑賞できる穴場でもある。
祇王を偲んで再建された寺院
祇王寺は、法然の弟子・良鎮が創建した往生院が起源の寺院。平安時代に祇王らが入寺した尼寺として知られたが、徐々に衰退。明治初期には廃寺となるも、祇王の悲恋に心打たれた京都府知事・北垣国道が1895年に祇王寺の名で再建。また、廃寺から再建までの間、平清盛と祇王らの木像と五輪塔・宝篋印塔は大覚寺で保管されていたため、真言宗に改宗された。