せんにゅうじ
泉涌寺
(伏見稲荷・東福寺周辺)
歴代天皇が眠る皇室ゆかりの古刹
泉涌寺は、天長年間に空海が創建したと伝わる真言宗泉涌寺派の総本山。皇室と深い関わりを持つことで知られ、境内には月輪陵(非公開)と呼ばれる歴代天皇・皇后の陵墓や、京都御所の御殿を移築した御座所、皇室ゆかりの品々を展示する心照殿などがある。また、美人祈願や縁結びのご利益がある楊貴妃観音像や、毎年涅槃会で公開される日本最大級の大涅槃図でも知られている。雲龍院や今熊野観音寺などの個性的な境内塔頭も見所のひとつ。
「御寺」と尊称される皇室の菩提寺
泉涌寺は、空海が草庵を結び法輪寺と名付けたことが起源とされる寺院。その後荒廃するが、1218年に俊芿が大伽藍を造営して再興した。その際、寺地の一角で泉が涌き出たことから泉涌寺と改められ、この泉は現在も涌き続けている。1242年に四条天皇の葬儀が営まれて以降は皇室の菩提寺となり、南北朝~安土桃山時代、江戸時代の後陽成天皇から孝明天皇に至る歴代天皇・皇后が埋葬されている。