大黒寺

Degueulass…

本堂

薩摩藩士に信仰されてきた本尊

弘法大師作の秘仏の本尊・大黒天像を祀る堂。大黒寺は元々、観世音像を本尊に祀る長福寺という寺であったが、付近にあった薩摩藩邸の「出世大黒天」と同じ大黒天も祀っていた縁から、1615年に薩摩藩の祈祷所として定められ寺号と本尊が改められた。出世や商売繁昌、金運などの御利益を授けると言われるほか、本堂前には像に触れることで御利益を授かれる「おさすり大黒さん」もある。大黒天像は不定期で行われる特別公開や、60年に1度の甲子の年に開帳される。

Degueulass…

伏見寺田屋殉難九烈士之墓

西郷隆盛が建てた志士たちの墓

1862年の寺田屋事件で落命した、9人の薩摩藩士が葬られた墓。寺田屋事件は、伏見の宿屋・寺田屋で九条尚忠らの暗殺を企てていた尊王攘夷派の薩摩藩士たちを、薩摩藩の指導者・島津久光の命を受けた兵が鎮圧に訪れた事件で、この襲撃で有馬新七ら9人の尊攘派藩士が襲撃や切腹で命を落とした。当初この事件は上意討ちとされ墓石も建てられなかったが、後に西郷隆盛が墓を建てて手厚く葬った。この事件で命を落とした9名は薩摩九烈士と呼ばれ語り継がれている。

Degueulass…

平田靱負の墓

治水工事を成し遂げた藩士が眠る

1754年に行われた宝暦治水の総奉行として知られる薩摩藩士・平田靱負の墓。宝暦治水は、江戸幕府が雄藩であった薩摩藩を恐れて下したとされる木曽三川の治水工事で、工事費用は薩摩藩が全額負担・専門職人の雇用を不可とするなどして徹底的な弱体化を図った。平田は、一戦交えてでも幕命を突き返そうとする藩士たちを説き伏せて工事を請けたことや、多大な工事費用、90名近い犠牲者を出した責任から工事完了後に切腹し、薩摩藩の祈願所であるこの寺に遺体が葬られた。

伏見義民の遺髪塔

伏見町民を救った義民を称える塔

1785年に伏見奉行の悪政を幕府に直訴した、7名の町年寄の遺髪を祀る石塔。3代目伏見奉行・小堀政方は、自らの浪費のために莫大な御用金を町民に課しており、これに耐えかねた文珠九助ら7名が、処罰を覚悟で江戸に行って直訴した。その後小堀政方は伏見奉行を罷免されたが、7名は既に獄死などで皆死去していた。それ以来、伏見町民を救い、悲惨な最期を遂げた7名は「伏見義民」と呼ばれ称えられている。